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被害者の連携訴え ビキニデー 広島市東区で集会

 太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁での米国の水爆実験で静岡県焼津市のマグロ漁船第五福竜丸が被曝(ひばく)して60年となる「ビキニデー」の1日、県原水協は広島市東区で集会を開いた。高知県の市民団体、太平洋核被災支援センターの山下正寿事務局長(69)が講演し、核被害の解明へ被害者たちの連携を訴えた。

 山下さんは、第五福竜丸だけでなく高知県の多くの漁船が被災したと指摘。1985年から、地元の高校生とともに水爆実験に遭った漁船の船員たち約300人から体験を聞き取ったが、「日米両政府が情報を隠したため被害の全容はいまだに明らかになっていない」と述べた。

 一方、福島第1原発事故でも、政府や東京電力が都合の悪い情報を出さず、放射線被害の全容解明に至らない恐れがあると懸念。「被爆地の広島や長崎とも手を携え、放射線被害の怖さを訴え続けなければならない」と強調した。

 集会には約100人が参加。核兵器禁止条約に向けた署名活動の推進など行動計画を確認した。(榎本直樹)

(2014年3月2日朝刊掲載)

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