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[広島サミット5・19~21] 期間中 産気づいたら… 大規模な交通規制 妊婦に不安

救急車に抵抗感も 「早く情報を」

 広島市で5月にある先進7カ国首脳会議(G7サミット)の期間前後に出産予定日を控える妊婦が、想定外の大規模な交通規制に不安を募らせている。産気づいて病院に向かう際、マイカーやタクシーは規制対象になる。救急車を呼ぶことに抵抗感を持つ人もおり「できるだけ早く規制の情報を」との声も上がる。(加納亜弥、新本恭子)

 「もし産院に向かう途中に規制にかかったら…」。17日に第1子の出産予定日を控える安佐南区の保育士(25)はため息をつく。規制エリア内の産院で出産を予定。夫が広島県警に時間帯を問い合わせたが「直前にならないと分からない」と説明されたという。

 規制は期間前後の1日を含む18~22日、主会場のグランドプリンスホテル広島(南区)平和記念公園(中区)JR広島駅(南区)周辺の幹線道路が中心。ただ区間と時間帯を県警が発表するのは前日だ。当日は開始と終了時間について公式ツイッターやホームページ(HP)での配信を検討している。首脳が通行する前に対象区間と周辺で規制が始まり、移動が続くと長時間に及ぶ可能性がある。

 緊急車両の通行は認められるため広島サミット県民会議は「緊急と判断したら救急車を使って」とする。だが、3人目を出産予定の中区の女性(33)は「陣痛や破水で普通は救急車を呼ばない。ためらってしまいそう」と気をもむ。

 規制エリア内の正岡病院(中区)は妊婦向けに注意事項のプリントを配った。県警HPやツイッターのQRコードを載せ「緊急時はちゅうちょなく救急車を使う」「自身でも情報収集に努めて」と呼びかける。正岡亨院長は、規制を知らない妊婦がいる可能性もあるとし「迷ったら病院に電話してほしい」という。

 「規制の範囲や時間のイメージが湧きにくい」と話す妊婦(28)は「少しでも早く情報が分かれば安心できる」と求めている。

(2023年4月26日朝刊掲載)

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