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連載・特集

@ひろしまサミットまで 22日 原爆の放射線

 原爆の爆風や熱線をかろうじて逃れた人たちを苦しめたのが、地上に降り注いだ放射線です。放射線は無色透明、無味無臭で、計測器などがなければ被曝(ひばく)したかどうか確認できません。外傷が少なかった人も、直後から脱毛や吐き気、発熱、全身の脱力感などの急性障害が現れました。

 放射線は、焦土から復興へ向けて歩み出した市民の体もむしばんでいました。被爆から数年後、白血病やがんなどの晩発障害の発症が増え、多くの人が命を落としました。被爆60年を過ぎて関連性が分かった骨髄異形成症候群という血液の病気もあります。放射線の影響は一過性ではなく、被爆者の生涯にわたるのです。(伊藤友一)

(2023年4月27日朝刊掲載)

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