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ごみ露出 国の指摘後も 米軍岩国基地 説明なく

 岩国市の米軍岩国基地の敷地内で過去に埋めたとみられる大量のごみがむき出しとなっている問題で、国が2021年末に基地側に対応を求めたにもかかわらず、ごみが露出した状態が続いている。リサイクルできない廃棄物を16年ごろまで埋めていたとみられるが、基地側は経緯や対策について岩国市などに説明していない。

 市道に面した基地北側ののり面で長さ約300メートルにわたり、缶やタイヤ、プラスチック類とみられるごみが露出している。市によると、16年夏ごろまでリサイクルできない基地内のごみが埋められていたとみられる。基地側が何らかの工事でのり面を削ったため、ごみが現れたもようだ。

 市から情報提供を受けた中国四国防衛局が21年12月、住民の不安を解消するため適切な対応を基地側に求めた。市は22年3月から現地を目視で調べ、ごみの飛散など周囲の環境に影響はないとしている。

 基地側は中国新聞の取材や市に「日本政府の規則を確実に順守し環境への影響を防ぐため、廃棄物が適切に処理されるよう常に監督、管理している」と答えるにとどまり、経緯や対策には触れていない。

 市民団体「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」は26日、ごみの放置について市に苦言を呈し対応を求めた。市の穴水辰雄・基地政策担当部長は「今は何らかの工事の途中で改善されると思う。具体的な対策や日程が示されず、歯がゆい思いはある。基地側に住民の不安を伝えたい」と話した。(有岡英俊)

(2023年4月27日朝刊掲載)

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