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マーシャルで被曝 苦しんだ母 広島で講演会

 米国が1946~58年に核実験を繰り返した太平洋マーシャル諸島の被害について考える講演会が30日、広島市中区の世界平和記念聖堂であった。母親が被曝(ひばく)したエビリン・レレボウさん(42)が来日し、「想像を絶する苦しみが何世代も続く。二度とあってはならない」と訴えた。

 レレボウさんの母親は8歳だった54年、水爆実験「ブラボー」があったビキニ環礁から約200キロ離れた島で「死の灰」(放射性降下物)を浴び、甲状腺がんや流産に苦しんだ。島からは強制移住させられたという。マーシャル諸島の政府機関で教育を担当するレレボウさんは母親の体験を伝え「若い世代に被害を語り継ぐことが大切。広島と連帯し核兵器廃絶を目指したい」と話した。

 広島、長崎の教会関係者たちが設立した「核なき世界基金」の主催。2日はエソール広島(中区)で講演する。(栾暁雨)

(2023年5月1日朝刊掲載)

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