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@ひろしまサミットまで 18日 放影研

 広島市街地を一望できる比治山(南区)頂上付近に、かまぼこ形の建物が並んでいます。日米両政府が共同運営する放射線影響研究所(放影研)です。

 米国が占領期の1947年に設置した原爆傷害調査委員会(ABCC)が前身で、被爆者約12万人の死因を追跡する「寿命調査」と、約2万3千人の病気の発症と被曝(ひばく)線量の関係を調べる「成人健康調査」を研究の柱に据えます。成果は、国際的な放射線防護基準の礎になりました。

 ただ当初のABCCは軍事目的の色が濃く「調査すれども治療せず」と被爆者から批判を浴びました。長らく懸案だった施設の移転問題はことし1月、近くの広島大霞(かすみ)キャンパスへの新築移転で決着しました。(伊藤友一)

(2023年5月1日朝刊掲載)

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