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カザフ反核運動家 原爆慰霊碑に献花

 旧ソ連が核実験を繰り返したカザフスタンの反核運動家たちが28日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、原爆慰霊碑に献花した。原爆犠牲者に思いをはせ、核兵器廃絶への意志を新たにした。

 核実験場から約100キロ離れた村の出身で、生まれつき両腕のない画家カリプベク・クユコフさん(54)たちが慰霊碑へ花輪をささげ、黙とうした。報道各社の取材に対し、クユコフさんは「次代のため、核兵器のない世界をつくるべきだ」と強調。核兵器の被害を受けた日本とカザフスタンによる尽力の重要性を説いた。

 核兵器廃絶に向け市民たちとの連帯を強めようと、一行は14人で被爆地を訪れた。この日はまた、広島市役所で松井一実市長と面会。原爆資料館では、市民団体「ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト」などでつくる実行委員会の集会に参加し、市民と交流した。会場には、核兵器や環境をテーマに、クユコフさんが口で絵筆を動かして描いた油絵14点が展示された。(小林可奈)

(2023年4月29日朝刊掲載)

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