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[広島サミット5・19~21] 核軍縮の重要性訴え 広島 国内外専門家が討論会

 核抑止に頼らない世界の構築に向け、国内外の専門家が話し合う公開討論会が28日、広島市中区の広島国際会議場であった。同市でのG7サミットを契機にして、核軍縮を進める重要性を訴えた。

 核政策や安全保障の専門家7人が2班に分かれて登壇した。英ロンドン大キングスカレッジシニア講師のハッサン・エルバーティミー氏は「核抑止や核兵器の存在はリスクが非常に大きい。いま再考する必要がある」と問題提起した。米シンクタンク核脅威イニシアチブのアナニャ・マホトラ氏はウクライナに侵攻したロシアの核兵器使用に懸念を示し、「核兵器を取り除いた新しい別の未来の姿を示すべきだ」と訴えた。

 他の登壇者からは、核抑止の考えから脱するため被爆者の声を政策に反映させるべきだとする意見や、核兵器を持つデメリットについての教育が市民だけでなく政治リーダーにも必要だとする声が上がった。

 広島県と官民組織へいわ創造機構ひろしま(HOPe)、米ハーバード大のワーキンググループが主催。会場では約60人が聴講し、オンライン配信もあった。(平田智士)

(2023年4月29日朝刊掲載)

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