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枯死の被爆樹木に説明板 中区のムクノキ 市が切り株脇に設置

 広島市は28日、枯死して昨年5月に被爆樹木の登録を抹消した中区小町のムクノキの切り株脇に説明板を設置した。爆心地から530メートルで被爆したことなどを伝えている。広島東南ロータリークラブ(RC)から寄贈を受けた。

 切り株は白神社前の平和大通りの緑地帯で保存している。説明板は縦21センチ、横29センチ。昨年7月の伐採前は高さ3・5メートル、幹回り1・3メートルだったとし、原爆の爆風や熱線に耐えた「もの言わぬ証人」と紹介する。英語訳と伐採前の写真も添えている。この日、関係者で除幕した。

 市平和推進課によると、ムクノキは樹勢が弱まり、2021年度の調査で枯死が確認された。同RCは15年から被爆樹木の説明板を作る活動をしており、佐野庸子会長は「被爆後も生き抜き、立派だったムクノキに思いをはせてほしい」と話した。(頼金育美)

(2023年4月29日朝刊掲載)

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