×

ニュース

きのこ会 ホームページ開設 小頭症被爆者の活動や訴え発信

 原爆小頭症の被爆者と家族たちでつくる「きのこ会」が今月、活動内容や思いを紹介するホームページ(HP)を開設した。会員が高齢化し、体験を直接伝えるのが難しくなる中、小頭症被爆者の存在や苦難の歴史を広く伝えようと取り組んだ。

 母親のおなかの中で被爆し、強い放射線を浴びたことで頭が小さくなる小頭症の特徴や、会の結成から現在までの歩みを掲載した。2021年に核兵器禁止条約が発効した際に出した声明文や、昨年6月の同条約の第1回締約国会議の開催に合わせ制作した5分半の紹介動画も載せている。

 会は1965年に小頭症の被爆者やその家族たちが結成し、原爆症の認定や核兵器廃絶を訴える活動を続けてきた。これまでに25人の小頭症被爆者が在籍したが、現在は11人に減っている。高齢化に伴い活動できる被爆者も減り、自らの体験を伝える機会も少なくなっているという。

 危機感を覚えた事務局長の平尾直政さん(59)がHPの開設を決めた。これまで交流サイト(SNS)で情報発信はしていたが、会の目的や核兵器廃絶の訴えがすぐに見られない課題があり、より分かりやすくした。平尾さんは「HPは伝える活動の一つ。記録を残し続け、小頭症の実態を多くの人に知ってもらいたい」と話す。アドレスはhttps://sites.google.com/view/kinokokai(伊藤友一)

(2023年4月29日朝刊掲載)

年別アーカイブ