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@ひろしまサミットまで 20日 お灸治療

 原爆が落とされた後、しばらくしても放射線障害などによる死者が続き、市民の間でさまざまな民間療法が広がりました。カボチャが薬になる-。そんな情報も出回りました。

 「お灸(きゅう)」に頼る被爆者もいました。1945年9月8日付の中国新聞には「すぐすゑろお灸 原子爆弾症に奇跡的な効果」との見出しの記事が載り、医学博士も効能を認めたとあります。

 広島の被爆の惨状を撮った写真家菊池俊吉氏(1916~90年)の作品の中には、45年10月に鍼灸(しんきゅう)院が掲げていた「爆弾症のお灸」との看板を収めた一枚があります。多くの人が苦しみと混乱の中、わらをもつかむ思いで治療を求めていたことが伝わります。(久保友美恵)

(2023年4月29日朝刊掲載)

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