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被災地に物資 集大成の旅 NPO「さとやま交流館」 8日三次を出発

 広島県三次や庄原市を中心に活動するNPO法人さとやま交流館が9~12日、東日本大震災の被災地にサッカーボールなどの支援物資を届ける。震災直後から続けており21回目。11日で発生から3年となることを機に今回で訪問をいったん締めくくる。柳生寿憲理事長たちが活動を通じて交流を深めた人たちを巡る。(菊本孟)

 柳生理事長たち4人が乗用車で8日午後に三次を出発。交流館の会員たち約100人・団体から集まったサッカーボール40個と三次、庄原産の米350キロ、タオル40枚などを運ぶ。9日朝に岩手県陸前高田市に到着。仙台市や福島県いわき市などの仮設住宅や民家など約10カ所を回る。

 被災した家の食器を寂しそうに洗っていた宮城県気仙沼市のおばあさん、がれきが残る被災地で元気に育つ同県南三陸町の3きょうだい、福島第1原発事故の影響で、避難生活をするいわき市のサッカー少年や保護者…。活動を通じて知り合った人に会い、支援物資を手渡す。

 交流館は2011年3月20日から1~2カ月に1度のペースで被災地を訪れてきた。「子どもたちが元気に遊ぶ姿を見たい」とサッカーボールも届け始め、被災地の草刈りを手伝った。交流館として現地での支援は終えるが、いわき市で避難生活を送る子どもたちを広島に招くなどしたサッカー交流会は、今後も続ける計画だ。

 柳生理事長は「復興はまだまだだが、震災直後より表情が明るくなったと感じる。被災地にもっと笑顔が広がってほしい。個人として被災地の人とのつながりは持ち続けたい」と話している。

(2014年3月4日朝刊掲載)

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