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被爆者試料や調査データ 放影研、一括で管理へ

 日米両政府が運営する放射線影響研究所(放影研、広島市南区)は5日、放影研が保管する被爆者の血液などの生物試料や、調査データを一括管理する「研究資源センター(仮)」を設置する方針を明らかにした。データベース(DB)化を進めて国内外の研究者に情報を公開し、共同研究を促すのが狙い。2014年度中に準備委員会の設立を目指す。

 放影研は昨年4月、研究部門ごとに管理していた生物試料を一括管理する生物試料センターを設立し、DB化の準備を進めている。新設する研究資源センターは、この生物試料センターの上部組織の位置づけ。被爆者の死亡やがんリスク分析のために集めた約12万人の健康調査表など研究の基礎資料も整理し、体系的にホームページ(HP)で公開する。

 センターの設置やHP公開の時期は未定。貴重な生物試料の利用許可などの手続きも今後検討する。

 センター設置に関して、この日まで3日間開かれた科学諮問委員会は「放射線影響の研究で世界のリーダー的役割を担う上で研究資源センターの設置は重要なステップだ」と評価した。終了後に記者会見した大久保利晃理事長は「世界最先端の研究者との共同研究につなげ、放影研の研究レベルも向上させたい」と話した。(明知隼二)

(2014年3月6日朝刊掲載)

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