×

ニュース

脱原発条例案を否決 島根県議会委 財政面など「非現実的」

 島根県議会(定数37、欠員1)の総務委員会(9人)は5日、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の地元市民団体が再生可能エネルギーの普及と脱原発を目指して県に制定を求めた条例案を賛成少数で否決した。「国の方針や財政支援抜きの制定は非現実的」などと7人が反対した。

 最大会派の自民党議員連盟(22人)の6人は全員が反対。「財政的に厳しい」(福間賢造氏)「規制緩和など国の関与がなければ困難」(藤間恵一氏)などと主張した。民主県民クラブ(9人)の2人は白石恵子氏が賛成したが、平谷昭氏は反対した。議会閉会日の11日、本会議で諮られ正式に否決される見通し。

 県は、条例が求めた県内の再生エネルギー生産量が消費エネルギー量を上回る「エネルギー自立」が、県単独では実現困難との見方をあらためて示した。

 終了後、大屋俊弘委員長は制定に賛同した8万3323人分の有効署名(県内有権者の14・3%)について「重く受け止める。議会として再生エネルギーの普及は推進する」と述べた。

 一方、請求した「島根原発・エネルギー問題県民連絡会」の保母武彦事務局長(72)は県庁で会見し「夢と現実を結び付けるのが政策。政策研究が足りない」と県と県議会を批判した。

 条例案は連絡会が2月7日、地方自治法に基づき県に制定を直接請求。同12日、溝口善兵衛知事が否定意見を付けて県議会に提案していた。(樋口浩二)

(2014年3月6日朝刊掲載)

年別アーカイブ