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@ひろしまサミットまで 12日 広島県被団協

 「広島県原爆被害者団体協議会」(県被団協)という被爆者団体は二つあります。当初は一つの団体として1956年に発足。64年に共産党系の県被団協が結成され、分裂しました。

 背景には、54年の米国のビキニ水爆実験を機に広がった原水爆禁止運動の分裂があります。いかなる国の核実験にも反対する立場の社会党系と反米反帝国主義の共産党系は旧ソ連の核実験の評価などを巡って対立。歩調を合わせるように県被団協も分かれました。

 一方、両団体が一緒に行動する場面もあります。どちらも広島被爆者7団体の一員として、核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名活動を続けています。核兵器廃絶を願う思いは一つです。(小林可奈)

(2023年5月7日朝刊掲載)

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