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連載・特集

みんなでサミット <2> 清掃ボランティア

「街を美しく」 広がる輪

 広島市内で19~21日にある先進7カ国首脳会議(G7サミット)で各国の首脳が訪れる平和記念公園(中区)。近くの広島商工会議所の職員や商議所ビルのテナントの従業員たち約70人が1日朝、原爆ドーム周辺のごみ拾いをした。「植え込みとか目の届かん所に意外とごみがあるね」。45分間に集まったごみは弁当殻や空き缶、吸い殻など段ボール6個分に達した。

 官民でつくる広島サミット県民会議の呼びかけで4月24日に始めた清掃ボランティア。サミット直前の15日までの毎週月曜、周辺の清掃に当たる。商議所産業・地域振興部の奥野泰識部長は「今回のG7をきっかけにして、街の美化に一層力を入れたい」と語る。

 JR広島駅(南区)周辺や紙屋町・八丁堀地区(中区)でも11日、住民や事業者たちでつくる8団体の約200人による一斉清掃がある。広島電鉄(中区)や広島ガス(南区)、ひろぎんホールディングス(HD、中区)など74社でつくる「広島都心会議」が、サミット歓迎の機運を高めるために企画した。

 昨年のサッカーワールドカップ(W杯)では試合後の客席でごみを拾う日本人サポーターの姿を欧米のメディアが取り上げ、世界で話題となった。同会議事務局の諏訪正浩次長は「サミットでは海外メディアも多く訪れる。広島を美しい状態にしてお迎えしたい」と意気込む。

 サミット主会場のグランドプリンスホテル広島のある南区の宇品地区では3日、宇品西地区老人クラブ連合会の約10人が宇品海岸集会所をきれいにする。全国各地から集まる警察の警備担当が待機所として使う予定。連合会の中原健治会長(84)は「気持ちよく利用してもらい、サミットの安全な開催に貢献したい」と力を込める。(岸慶太)

(2023年5月3日朝刊掲載)

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