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連載・特集

@ひろしまサミットまで 16日 長崎の被爆者

 広島に次いで3日後に原爆が投下された長崎では、被爆者健康手帳の取得を巡り、広島と違う課題があります。

 申請が可能なのは、爆心地から同心円状ではなく、当時の行政区分に合わせ、南北約12キロ、東西約7キロの地域にいた人です。その線引きの外にいた人も、放射線による健康被害を訴えています。しかし国は、爆心地から半径12キロ圏内にいた人を「被爆体験者」とし、「精神的要因に基づく健康影響」を認めるにとどまります。

 広島と長崎で被爆した「二重被爆者」もいます。多いのは両市にあった三菱重工造船所の関係者。その一人、山口彊(つとむ)さん(2010年に93歳で死去)は病と闘いながら長崎から平和を訴え続けました。(金崎由美)

(2023年5月3日朝刊掲載)

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