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岩国基地 極東最大級へ 着々 米軍再編関連工事進む

 格納庫の真っ白な壁がそそり立つ。扉が開くと、米軍機の姿が見えた。既存部隊の新施設が完成した山口県岩国市の米海兵隊岩国基地。米軍再編の関連工事が進み、極東最大級の米軍基地へと大きく「顔」を変えている。

 総面積約790ヘクタールのうち、約8割で工事が進行する。防衛局によると、これまでに政府が再編関連工事に投じた費用は計約1100億円(2012年度末時点)という。

 2月中旬、報道陣に公開された格納庫は3棟計2万6千平方メートル。巨大な体育館のような内部では、機体の整備などが行われていた。これまでに完成したのは格納庫や駐機場、洗機場など計80カ所。駐機場には、米軍が設置したFA18ホーネット戦闘攻撃機などのシェルターも並んでいた。

 既存部隊である海兵第12飛行大隊、海兵第12航空補給中隊の施設移転は、17年ごろとされる米海軍厚木基地(神奈川県)からの空母艦載機部隊の移転に向けた用地確保などが目的。新たな施設は海側へ約1キロ移った。中国四国防衛局によると、費用は計350億円とされる。

 「米軍再編事業の2番目の大きなステップだ」。格納庫内で取材に応じた岩国基地米軍再編事業計画部のブライアン・ワトワ氏は、既存部隊の移動の意義を強調した。最初のステップが滑走路を共有する岩国錦帯橋空港の開港。最後が艦載機部隊の移転というスケジュールが着々と進んでいる。(大村隆)

(2014年3月6日朝刊掲載)

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