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硫黄島で離着陸訓練 岩国基地の空母艦載機 きょうから 予備施設に国内4基地

 中国四国防衛局は8日、米軍岩国基地(岩国市)の空母艦載機が9~19日、硫黄島(東京都)で陸上空母離着陸訓練(FCLP)をすると岩国市と山口県に伝えた。天候不良などで硫黄島で訓練できない場合の予備施設に岩国など国内4基地が指定された。

 FCLPは滑走路を空母の甲板に見立てて離着陸を繰り返し、激しい騒音を伴う。予備施設に三沢(青森県)横田(東京都)厚木(神奈川県)も指定された。期間は13~19日。昨年より3日間長い。防衛局は、米軍の運用に関することであるため理由の回答は困難と岩国市に説明した。

 FCLPに続いて空母で行う着艦資格取得訓練(CQ)については日程を示していない。昨年は硫黄島付近の洋上で行った。

 FCLPは例年5月ごろ硫黄島で実施。2018年3月に艦載機が岩国基地へ移転して以降、FCLP前後のこの時期、訓練の影響で基地周辺の騒音が大幅に増える傾向にある。

 岩国市など2市2町と山口県でつくる連絡協議会は8日、岩国を予備施設に指定せず、CQも岩国に戻らず硫黄島付近で実施することを米側に要請するよう防衛局に申し入れた。

 広島県や広島市、廿日市市も同日、FCLPを岩国で実施しないよう求める要請書を防衛省や基地に送った。騒音被害や事故の危険性から「県民の安全・安心が脅かされる懸念がある」とし、岩国基地を予備施設に指定しないことや滑走路の運用時間の厳守を求めた。

 FCLPの訓練場所を巡っては、移転を見据えて防衛省が1月、鹿児島県西之表市の馬毛島で自衛隊基地の本体工事を始めた。(有岡英俊、永山啓一)

(2023年5月9日朝刊掲載)

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