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平和宣言作りに着手 広島市会合 核抑止論「流れ変える」

 広島市は9日、ことしの平和記念式典に向け、平和宣言の文案を検討する懇談会の初会合を市役所で開いた。松井一実市長は国際社会で高まる核抑止論を念頭に「危機的な状況の中で流れを変えることが重要」と述べ、核兵器廃絶を追求する宣言の起草へ意欲を見せた。

 被爆者や有識者たち全委員8人が出席した。座長を務める松井市長は冒頭のあいさつでロシアのウクライナ侵攻に触れ、「核抑止論からの政策転換を進められるようにしたい」と強調。19日に開幕する先進7カ国首脳会議(G7サミット)の議論を踏まえて文案をまとめる考えを伝えた。

 松井市長によると、非公開の意見交換では「今回の宣言はサミットとの関連性抜きには書けない」「(核兵器廃絶の)理想を追求するものにしてもらいたい」などの意見が出たという。

 会合は計3回を予定。松井市長は意見を踏まえ、6月上旬の次回会合で骨子案を示す。7月上旬の最終会合で文案を示し、8月上旬までに起草する。(太田香)

(2023年5月10日朝刊掲載)

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