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4割、広島定住の意向 震災避難者を県内団体調査 放射能を懸念

 東日本大震災の被災地から広島県内に避難した人でつくる「ひろしま避難者の会アスチカ」は6日、会員を対象にしたアンケートの結果を公表した。放射能の影響への懸念などから、回答者の約4割に当たる26世帯が帰郷を踏みとどまり、県内に定住する意向を示した。避難生活が長期化する中、苦渋の選択を迫られている実態が浮き彫りとなった。(久保田剛)

 全115世帯のうち、63世帯(54・8%)が回答した。生活拠点をどこに置くかを尋ねた設問では「いま住んでいる自治体へ定住」が26世帯(41・3%)で最多。「決めていない」が21世帯(33・3%)▽「古里ではないところへ移動」が4世帯(6・3%)―と続いた。定住の理由(自由記述)としては「放射能の影響が心配」「自宅を売却したので帰る場所がない」が目立った。帰郷の意向を示した人は4世帯(6・3%)にとどまった。

 現在の悩み(複数回答)では、「(古里にいる)親・親戚・友人になかなか会えない」が41・3%でトップ。今後の不安(同)では「健康」「(仕事や人間関係など)生活が安定するか」が上位を占めた。アンケートは2月末に集計した。

 アスチカは2012年10月、福島、宮城、岩手の3県や関東地方からの避難者で結成した。福島市から広島市へ避難した佐々木紀子副代表は「定住を選んでいるが、できれば古里へ戻りたいと考えている人もいる。どんな支援ができるのかを考えていきたい」と話している。

(2014年3月7日朝刊掲載)

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