[広島サミット5・19~21] 競り前倒しや集配制限 交通規制 直撃の物流・小売り
23年5月11日
スーパー、早め仕入れ 時間指定の配達中止も
先進7カ国首脳会議(G7サミット)に伴う18~22日の大規模な交通規制を受け、広島市内に拠点を置く運送会社や流通業界が対応を急いでいる。市中央卸売市場(西区)は競りの開始時刻の前倒しを決め、仕入れを早めるスーパーも出てきた。サミット主会場がある南区元宇品町や、各国首脳の配偶者たちが訪れる廿日市市宮島町への配達で、時間帯指定を取りやめる運送会社もある。(政綱宜規、服部良祐、村上和生)
市中央卸売市場は野菜や果物、切り花の競りの開始を1時間早め交通渋滞を避ける。青果棟は休業日の21日を除く4日間は午前5時に前倒し。花卉(かき)棟は19、22日の2日間、同7時に早める。花卉の荷受けを担う花満(西区)は「生花店からも前倒しの要望がある。スムーズに取引を終わらせ物流に影響が出ないようにしたい」と気を引き締める。
ある市場関係者は2016年5月のオバマ米大統領(当時)の広島訪問を振り返り「規制中はトラックが全然通れなかった。あの時より規制が大規模になるため混雑は避けられないだろう」とみる。
市場の対応を受け、スーパーは仕入れを早める。スパーク(西区)は野菜を中心に、店への入荷を普段より1~2時間繰り上げ午前7時ごろを計画。「交通規制の詳細が分からない中で、ぎりぎりの対応になりそう」と気をもむ。
運送各社は交通規制の影響が大きいとみられる地域で、集配サービスの制限を予定する。福山通運(福山市)は18~20日と22日、広島県全域で法人向けの配送が遅れる可能性があるとする。特に広島市中区、東区、南区、西区、府中町といった広島都市圏などで遅延の可能性が高い。
18~22日、佐川急便は広島市や呉市、東広島市など県西部を中心に12市町で日時指定のサービスを中止。配達の遅れもあるとする。ヤマト運輸は元宇品町、宇品海岸と宮島町で時間帯指定の配達を中止。広島県全域と岩国市、山口県和木町への配送が遅れる可能性もあり、余裕を持った配達依頼を呼びかける。日本通運は広島市や府中町など広島県西部の11市町と岩国市などで荷物の集配が遅れる可能性があるとしている。
(2023年5月11日朝刊掲載)