[広島サミット5・19~21] 市営駐車場を封鎖 平和大通り沿いなど
23年5月11日
計400台分 周辺混雑に懸念も
広島市で19~21日にある先進7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、中区の平和大通り沿いにある市営駐車場の大半が封鎖された。警察などの関係車両が待機に使うとみられる。封鎖は2週間余りに及ぶ見通しで、周辺の民間駐車場の管理者から混雑を懸念する声も出ている。(加納亜弥、新本恭子)
市自転車都市づくり推進課によると、対象は中区鶴見町から西区西観音町まで約2・7キロの側道にある路上駐車場16カ所。平和記念公園に近い中島町や大手町などでは車室全てを使えなくした。JR広島駅(南区)とタカノ橋商店街(中区)に近い計3カ所も封鎖し、総数は400台分に上る。
推進課は、駐車場の利用方法について「答えられない」としている。一部の駐車場では既に警察車両が止まっており、全国から集まった警察官の待機や輸送の拠点に貸し出しているとみられる。西区の事務員女性(26)は「不便になりそうだけど仕方ない」と苦笑していた。
期間は、大半が7日夜~23日朝の17日間。サミット期間の前後1日を含む18~22日の交通量半減に向け、マイカー利用の自粛が呼びかけられているが、その10日前からの封鎖となった。
通常営業を続けている民間の駐車場からは困惑の声も。中区立町にあるグランドパーキング21を管理する中の棚商店街振興組合の尾崎頼寿事務局長(63)は「車がこちらに流れ、入場待ちの車列が延びると近隣の店が困る」と心配する。コロナ禍が落ち着きをみせ、週末を中心に満車のケースも増えてきた。市営の封鎖を受け、他の駐車場に誘導する人の配置も検討するという。
推進課は「駐車場が減っていることも考慮してもらい、なるべく市内に車で乗り入れないよう協力を求めたい」としている。
(2023年5月11日朝刊掲載)