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基町の復興をたどる写真展 中区 23点展示

 広島市中区基町一帯の戦後の歩みを写真でたどる企画展が、市営基町アパート内の展示スペース「Unite(ユニテ)」で開かれている。街の変遷を追い続けた写真家明田弘司さん(1922~2015年)の作品23点を展示する。21日まで。無料。

 1948年に開館し、かまぼこのようなモダンな形状が特徴的な児童文化会館(64年解体)や、在外県人会の寄付を活用して52年に完成した総ガラス張りの児童図書館(78年解体)の写真などモノクロ写真が中心に並ぶ。連合国軍総司令部(GHQ)元職員のハワード・ベル氏が図書館に寄せた絵本に笑顔で見入る子どもの写真からは、本が児童の心を癒やす存在だったことが伝わる。

 新サッカースタジアム建設を機に基町に興味を抱いたという西区のスポーツライター湊昂大(こうた)さん(34)は「広島の中心地である基町にさまざまな顔があることが分かった」と話していた。

 明田さんは呉市出身。戦時中は陸軍に所属し、航空写真の現像などを担当した。復員後の48年、中区東千田町に写真店を開き、広島の街の復興を記録するようになった。企画展は基町の歩みから戦後復興に目を向けてもらおうと、明田さんの写真の整理を続ける「明田フォトプロジェクト」が主催。木-日曜の正午~午後5時。(岸慶太)

(2023年5月10日朝刊掲載)

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