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[広島サミット5・19~21] 招待国も原爆資料館へ インドは核実験後初 政府調整

 政府は、広島市で19日から開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせ、インドや韓国など招待国8カ国の首脳に原爆資料館(中区)を視察してもらう調整に入った。国連など国際機関のトップも加わる可能性がある。議長を務める岸田文雄首相が最終日の21日に案内し、原爆投下の惨禍を幅広く伝える。

 複数の関係者によると、館内で被爆者の遺品や写真パネルなどを見てもらう。核兵器を持つインドのほか、韓国やオーストラリアやブラジル、インドネシア、ベトナム、東アフリカのコモロ、南太平洋のクック諸島の各国と視察の交渉をしている。広島市によると、インド首脳の原爆資料館訪問は、同国が初めて核実験をした1974年以降では初めてとなるという。

 国際機関は国連に加え、国際通貨基金(IMF)世界保健機関(WHO)世界貿易機関(WTO)など7機関と調整している。

 「核兵器のない世界」を掲げる岸田首相は、世界の政治指導者たちが被爆地を訪れる意義を重ねて訴えてきた。初めて広島で開かれるサミットを好機と捉え、自ら原爆資料館の案内役を務める。開幕を控えた13日には広島市入りし、資料館のほか主会場のグランドプリンスホテル広島(南区)や討議の場となる宮島(廿日市市)を下見する。(樋口浩二)

(2023年5月12日朝刊掲載)

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