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核廃絶へ連携「確認できた」 広島平和文化センター理事長 マーシャル諸島から帰国

 広島平和文化センターの小溝泰義理事長は7日、米国の水爆実験から60年の「ビキニデー」に合わせて訪問した太平洋マーシャル諸島からの帰国報告会見をした。「被爆地広島のメッセージを伝え、大統領たちと核兵器廃絶に向け連携する意思を確認できた」と振り返った。

 ビキニ環礁での水爆実験で、静岡県焼津市のマグロ漁船第五福竜丸や地元住民が大きな被害を受けたのは1954年3月1日。60年の節目に当たって、小溝理事長は松井一実市長の代理として2月26日~3月3日に首都マジュロを訪れた。ロヤック大統領に松井市長の親書を渡し、市の代表として初めて政府主催の核犠牲者追悼式典に出席した。

 広島市役所での帰国会見で、印象に残った出来事に現地で聞いたロンゲラップ環礁出身の女性の証言を挙げた。小溝理事長は「故郷を失ったつらさや被曝(ひばく)による差別に苦しんだという話に心を揺さぶられた。託された思いを一緒に発信する責任がある」と力を込めた。約5900都市が加盟する平和首長会議の活動などを通じ、核実験被害の実態を訴えていく姿勢を強調した。(明知隼二)

(2014年3月8日朝刊掲載)

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