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[広島サミット5・19~21] 中区で市民団体が集会 「核被害者に対し責任」 保有国首脳へ向け声明

 広島市で19日に開幕する先進7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)」が13日、世界の核被害を考える集会を中区の世界平和記念聖堂で開いた。サミットに参加する核兵器保有国の首脳に対し、被害者への責任を果たすよう訴える声明を発表した。(浜村満大)

 集会にはオンラインを含めて市民たち約90人が参加した。声明では「サミットに参加する核保有国首脳は、自らの核開発によって生み出した世界の核被害者に対する責任を果たす義務がある」と指摘。「核の被害者への贖罪(しょくざい)と人類の未来のため、ヒロシマの地で核兵器禁止を誓うべきではないか」と強く訴えている。

 被爆者の証言では15歳の時に被爆した切明千枝子さん(93)=安佐南区=が原爆投下当時を「大勢の友人や身内、先生たちを亡くした。身内は一片の骨すらも拾えない悲惨な状況だった」と振り返った。「二度と戦争に巻き込まれることがないよう平和をしっかりと守っていきましょう」と呼びかけた。

 基調講演では、オンラインで非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))」の共同創設者ティルマン・ラフ医師が核被害をテーマに話した。ロシアのプーチン大統領が核兵器使用を示唆したウクライナ侵攻を踏まえ「世界的に軍縮を進めることが重要だ」などと述べた。

(2023年5月14日朝刊掲載)

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