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[広島サミット5・19~21] 戸惑う介護事業者 規制・渋滞 休む決断も

 介護の必要な高齢者たちの通所や訪問サービスに関わる広島市中心部の事業所が、先進7カ国首脳会議(G7サミット)に伴う交通規制に気をもんでいる。通行止めや渋滞の時間が分からず、いつも通りの送迎や訪問ができない可能性が高いためだ。多くの事業所は期間中もサービスを継続する方針だが、休む決断をしたところもある。

 広島市西区の介護老人保健施設「ピア観音」は18、19日のデイサービスを休む。大型連休中に特別に開いて利用を振り替えたほか、サミット期間に家族でのケアが難しいときはショートステイを使ってもらう。恵良剛所長は「送迎時間が長引き、利用者の体調が急変するリスクなどを考えた」と話す。

 通常通り開く予定の事業所も心配を募らせる。中区の通所介護事業所「ニュースデイサービスセンター」は、送迎時間がずれる可能性を利用者たちに周知した。運営会社の永田裕二社長は「交通状況が読めず困っている。子どもの世話のために出てこられない職員もいて、スタッフの確保も苦労した」と明かす。

 でじま・くにくさ居宅介護支援事業所(南区)の本川薫管理者は、訪問介護の利用者の排せつを心配する。「清潔に保つのが難しく、転倒のリスクもある。訪問が遅れる影響は大きい」。訪問時間がずれるときに備え、ベッド脇にポータブルトイレを置き、練習してもらっているという。

 訪問看護や介護の事業をしているサンキ・ウエルビィ(西区)は、車での移動が困難になることを想定して、一部の事業所に電動自転車を配備する。(衣川圭、新本恭子)

(2023年5月13日朝刊掲載)

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