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[広島サミット5・19~21] 静かな宮島 留守にします めったにない「休日」 商店主たち、旅行へ

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)の討議などの舞台となる廿日市市の宮島で、サミットに合わせて島を離れる計画を立てる島民が相次いでいる。18~20日に観光客たちの入島が制限され、広島県内有数の観光地である島の店などは商売上がったりとなる見込みのため。急きょ静かになる3日間を活用して旅行などをするという。

 「家族旅行は10年ぶり。楽しみ」と話すのは、土産物店を経営する50代の女性。17日から20日までの4日間は店を閉め、夫婦で能登半島へ旅行に行く。土産物販売業などを営む40代男性社長は家族5人で3日間、大阪に出かける。いずれも観光客の入島が規制されて店を閉めざるを得ない期間を、家族サービスなどに充てる好機と捉える。

 大型連休などがある5月は例年、島の観光業の繁忙期に当たる。団体客向けに食堂を営む70代男性は今回、栃木県日光市などを夫婦で巡る。5月の旅は初めてで「サミット中の島の様子を見たい気持ちもあるが警備が厳重そうで諦めた。島は警察官だらけで留守中も安心」と明かす。

 宮島への観光客の入島規制は18日正午から20日午後2時まで。19日に各国の首脳、20日に配偶者たちが訪れる予定となっている。期間中、多くの店や宿泊施設が休業するとみられるが、料理の仕込みや清掃などで、島を離れられない人も多くいるという。

 広島サミット県民会議によると、首脳たちが島を訪問する時間帯には、開けている商店などに一時的な休業を要請する場合があるが、休業補償はない。(永井友浩)

(2023年5月13日朝刊掲載)

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