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原民喜の功績 人物像しのぶ 広島市中区

 広島市出身の被爆作家原民喜(1905~51年)を顕彰する「広島花幻忌の会」は9日、広島市中区で碑前祭を開いた。会員たち約30人が、講演を聞いたり献花をしたりして民喜をしのんだ=写真。

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館での講演では、作家天瀬裕康さん(82)=大竹市=が、民喜の人物像に光を当てた。「極端な無口だったとされているが、作家中村真一郎や文芸評論家寺田透は、民喜がよくしゃべったと書き残している」と紹介。「作家民喜の論評を深めていかなければならない」と述べた。

 民喜のおいの原時彦さん(79)=西区=は、民喜の翻訳書「ガリバー旅行記」を紹介。「民喜のユートピアがこの本に表れている」と説明した。

 碑前祭は命日(3月13日)に合わせて開かれた。講演前、参加者は平和記念公園にある民喜の詩碑に黙とうをささげ、花を手向けた。

(2014年3月10日朝刊掲載)

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