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原爆テーマの演劇をユーチューブで公開 広島のNPO

 原爆をテーマに、障害の有無を問わず市民が参加して上演した「ウタとナンタのさかのぼり」の収録映像をNPO法人ひゅーるぽん(広島市安佐南区)が動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した。19日から市内である先進7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、演劇を通じて平和と多様性の大切さが多くの人に伝わることを願う。

 市内を流れる猿猴川の由来とされるカッパの姉妹が被爆直後の広島に迷い込み、原爆に両親を奪われた子どもと出会う物語。一緒に焼け野原に種を植え、緑と笑顔を復活させる。作品は3部作からなり、公開した動画は3月に上演した第3部。

 子どもの発達支援に取り組む同法人や「舞台芸術制作室無色透明」(西区)で結成した「おきらく劇場ピロシマ」が演じた。3月の上演時、知的障害のある出演者が「(ウクライナに侵攻した)ロシアのプーチン大統領に見てほしい」と語ったのをきっかけに、ウクライナ問題などが議論されるサミットに合わせた動画配信を決めた。

 公開は5月末までの予定。ひゅーるぽんの川口隆司理事長(61)は「効率が求められる現代に、多様な人が共に楽しく生きる大切さを表現している。見て感じてほしい」と話す。https://youtu.be/XSlc4bfMHbI (湯浅梨奈)

(2023年5月16日朝刊掲載)

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