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広島サミット2023 サーロー節子さんが原爆資料館を見学 G7首脳に「苦しみ、目に焼き付けて」

 広島市南区出身でカナダ在住の被爆者サーロー節子さん(91)が14日、中区の原爆資料館を訪れた。19日に見学する見込みの先進7カ国(G7)の首脳たちに対し「どんなに人間が苦しんで亡くなったか。目に焼き付けて帰ってほしい」と求めた。

 サーローさんは2019年4月に資料館本館がリニューアルオープンしてから初の訪問。次男のアンディさん(61)に車いすを押してもらい、時折英語で話しながら、約2時間かけて回った。被爆して亡くなった子どもたちの衣服をはじめ、一つ一つの展示をかみしめるように見つめ、目頭を押さえる場面もあった。

 見学後、市で19~21日にあるG7首脳会議(サミット)に向け「政治的な決断をする時は、理論だけではなく、感情が非常に大切。人間として感じるものがあるはず」と語り、核兵器廃絶への前進を望んだ。原爆慰霊碑の前では黙とうした。

 サーローさんは9日、3年半ぶりに来日。12日に広島市入りした。15日は母校の広島女学院大(東区)で名誉学位授与式と記念講演に臨む。(太田香)

(2023年5月14日掲載)

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