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「アンネ」平和のバイブル 福山ホロコースト記念館大塚館長 事件に屈せず 歩みを紹介

 東京都内で「アンネの日記」や関連書籍が破られた事件の波紋が広がる中、福山市御幸町のホロコースト記念館は15日から、アンネ・フランク生誕85周年記念のパネル展を開く。大塚信館長(65)=京都市右京区=に、事件の受け止めとパネル展の狙いを聞いた。(東谷和平)

 ―事件をどう受け止めていますか。
 約300冊の本が破られるなど被害が広範囲だ。平和を思う心を否定する行為で悲しい。本を破って歴史を否定したいのかもしれないが、ホロコーストの事実は変わらない。事件に屈せず、平和を考える題材として「アンネの日記」の重要性を訴えていく。

 ―アンネ・フランク財団(スイス)会長で、アンネのいとこのバディ・エリアス氏から、「ショックを受けた」とのメールが届いたそうですね。
 米国や英国、ドイツなどの友人からも同様の電話やメールが届いた。「アンネの日記」は、平和のバイブルとして世界中で愛読されている。みんな心を痛め、事件の早期解決を望んでいる。日本で事件が起きてしまい申し訳ないという気持ちを伝えた。

 ―パネル展の中身は。
 29枚のパネルでアンネの生涯を紹介する。日本初公開のフランク家のラジオや壁飾りなど18点も展示する。アンネの生き方から、平和について行動するためのヒントを感じてほしい。

 アンネ・フランク展「希望の未来」は5月3日までで無料。日、月、祝日は休館。Tel084(955)8001。

(2014年3月11日朝刊掲載)

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