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世界の子が描く希望 広島やウクライナ 中区で特別展示

 ウクライナや広島の子どもたちが平和を願って描いた巨大絵画「キッズゲルニカ」の特別展示が16日、広島市中区のひろしま美術館で始まった。19日に市内で始まる先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせ、実行委員会が企画した。28日まで。

 ピカソが戦争への憤りを描いた大作「ゲルニカ」(縦3・5メートル、横7・8メートル)と同サイズのキャンバスに、子どもたちが平和と希望の絵を描く国際プロジェクトの一環。第2次世界大戦中に無差別爆撃を受けたスペイン・ゲルニカ、原爆が投下された広島と長崎、ロシア軍に多くの民間人が虐殺されたウクライナ・ブチャの子どもが描いた計5枚を、美術館内の通路の壁に掲げた。

 ブチャの作品は4月下旬に完成したばかり。芸術学校に通う現地の小中学生約30人がミサイルを虫捕り網ですくう天使や笑顔の子ども、国花ヒマワリなどをビニールシートに描いた。プロジェクト関係者の渡辺実さん(66)=静岡県富士宮市=は「困難を克服し、前進しようとするたくましさが伝わってくる。サミットで広島を訪れた海外の人たちにも見てほしい」と願う。

 広島の作品はピカソの作風を模して原爆ドームを描き加えるなどした2点。西区の美術教室「アトリエぱお」の高校生約40人や近くののぞみ幼稚園の園児約140人が制作した。

 午前9時~午後5時。入館料が必要。(向井千夏)

(2023年5月17日朝刊掲載)

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