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[広島サミット5・19~21] 宮島の宿 まるで警察官舎

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)の舞台の一つとなる廿日市市の宮島で、普段は観光客が利用する旅館などに、島の警備に当たる全国の警察官たちが泊まっている。少なくとも6施設を使い、まるで警察官の官舎のように貸し切り状態となっている施設もある。

 例年は修学旅行客たちでにぎわう5月の宮島。島内最大の71室を備えるホテルみや離宮では、制服姿の警察官がひっきりなしに出入りしていた。愛知、静岡両県警と北海道警の計約300人を12日から順次受け入れ、宿泊客は23日まで全員が警察官となっている。

 G7広島サミット宿泊予約センターから昨年7月に受け入れの要請があった。既に入っていた予約は別日程に変更してもらったという。警察官の荷物には警備に関わる機密などもあるとみて、連泊中も部屋の清掃をしないなどの対応を取っている。土居裕明支配人は「何事もなく終わるよう協力は惜しまない」と話す。

 早い施設は9日から受け入れを始め、警察官や電力会社関係者の拠点となっている。島の警備に当たっている警察官の数について、広島サミット県民会議事務局は「警備計画に関わるので答えられない」とする。

 島は18日正午から20日午後2時まで観光客たちの入島が規制される。県民会議事務局はこの期間中、観光客の受け入れを中止するよう島の宿泊施設に求めており、関係者が泊まらない施設は休業する見通し。

 ただ、老舗旅館の錦水館は、18、19日の宿泊を予約した海外の3組と連絡が取れず、キャンセル処理が済んでいない。このため当日は対岸の宮島口フェリー旅客ターミナルに従業員が出向き、事情を説明して宮島口の宿泊施設を案内する。(八百村耕平)

(2023年5月17日朝刊掲載)

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