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[広島サミット5・19~21] 松井市長 被爆者と長く緊密に話を 湯崎知事 広島の惨禍を心で感じて

迫る開幕 期待感示す

 広島市での先進7カ国首脳会議(G7サミット)の開幕が19日に迫る中、松井一実市長と広島県の湯崎英彦知事が16日、それぞれ記者会見を開き、各国首脳による原爆資料館(中区)の見学や被爆者との面会に改めて期待感を示した。(和多正憲、河野揚)

 松井市長は、2016年のオバマ米大統領の資料館見学について「決して十分な時間でなかったと思う」と振り返った。G7首脳の来訪に対し「今までより長く、より緊密に被爆者と話ができる時間を設定してほしい」と求めた。

 ロシアのウクライナ侵攻を機に高まる核抑止論には否定的な見解を示し「為政者に核の抑止力の欠陥を考えていただきたい。被爆の実相がまだまだ理解されてない」と強調した。被爆者との対話を通じ「核兵器をなくす以外に根本的な解決は見いだせないことを認識していただけると考える」と述べた。

 湯崎知事は、被爆地でのサミット開催の意義について「核兵器のない世界に向けた力強いメッセージを発する貴重な機会」とした。その上で「資料館の見学や被爆者たちとの対話を通じ、広島の惨禍を心で感じる機会を持ってほしい」と注文した。

 また、松井市長と湯崎知事ともに、会期中とその前後の18~22日の県内の交通総量を減らすため、マイカー利用自粛への協力を再度呼びかけた。

 松井市長は「市民の日常生活や企業活動に不便をかける。サミットが成功裏に終わるよう、目標達成に向けて理解と協力を」と訴えた。湯崎知事も「県民、市民にも広島で開催されて良かったと思っていただけるよう全力で取り組み、成功に導きたい」と話した。

(2023年5月17日朝刊掲載)

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