×

ニュース

広島サミットあす開幕 G7首脳 原爆慰霊碑へ

 初の被爆地開催となる先進7カ国首脳会議(G7サミット)が19日、広島市で開幕する。21日までの日程で、G7首脳は初日に平和記念公園(中区)に2時間前後滞在して原爆資料館の視察などをする。岸田文雄首相がライフワークとする「核兵器のない世界」に向け、どう議論を主導できるかが焦点。最終日には対話型人工知能(AI)「チャットGPT」に代表される生成AIへの対応なども盛り込んだ声明を出す方針でいる。(中川雅晴)

 首相は開幕する前日の18日に広島に到着し、米国などとの2国間会談に順次臨む。19日午前は平和記念公園で各国首脳を出迎える。原爆資料館の館内では被爆者と対話する方向で最終調整している。原爆慰霊碑への献花もする。

 午後には主会場となるグランドプリンスホテル広島(南区)で生成AIの活用のあり方などデジタル分野の課題を議論。午後はウクライナのゼレンスキー大統領がオンラインで加わり、対ロ制裁やウクライナ支援について協議する。その後は廿日市市の宮島に渡り、核軍縮・不拡散やインド太平洋地域の情勢を議論する。核軍縮・不拡散に特化した特別文書を採択する予定だ。

 2日目は、経済安全保障やグローバルサウスと呼ばれる新興・途上国との連携強化を確認する。午後からはインドや韓国など招待国8カ国の首脳らを迎え「食料、保健、開発、ジェンダー」「気候変動・エネルギー、環境」を議題に拡大会合を催す。

 最終日の21日午前には首相が招待国の首脳らと平和記念公園を訪問。閉会セッションを経て、午後には議長国として記者会見し、核軍縮を含む広島サミット全体の共同声明を発表する。この日は日韓の首脳が一緒に平和記念公園内の韓国人原爆犠牲者慰霊碑を訪れる。米国を交えた日米韓首脳会談も開く。

 イタリアのメローニ首相が最初に広島入りして以降、各国首脳が19日にかけて相次いで現地へ入る。首脳の移動に伴い、山陽道などの高速道や一般道で大規模な交通規制が本格化する。松野博一官房長官は17日の記者会見で「国民の協力が不可欠。国民の皆さまに理解と協力をお願いする」と述べた。

(2023年5月18日朝刊掲載)

年別アーカイブ