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G7メンバー米英仏の核実験 広島市、384回抗議文 大半黙殺 問われる具体策

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)のメンバーで核兵器保有五大国の米国、英国、フランスの核実験に対し、広島市がこれまでに計384回にわたって抗議文を送ったことが、市の集計で分かった。すべての核実験をやめて核兵器廃絶へ行動するよう、繰り返し求めてきた被爆地。その訴えに応える具体策を19日に市で開幕するサミットで打ち出せるかが問われる。(編集委員・水川恭輔)

 市は1968年、水爆実験をしたフランスに最初の抗議文を送った。以降、報道などで核実験や実施表明を把握するごとに、その国の首脳たちに宛てて送付。米国の臨界前核実験に抗議した昨年4月までに、合計8カ国計614回に上っている。

 国別では米国247回、ロシア(旧ソ連を含む)188回、フランス118回、中国30回、英国19回、北朝鮮7回、インド3回、パキスタン2回。うち、米英仏への計384回の抗議文のうち市が返信を確認したのは約6%の計25回にとどまり、大半が黙殺に等しかった。

 ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の昨年1月時点の推定では、米国が5428発、英国が225発、フランスが290発の核兵器を保有している。広島サミットの拡大会合に参加するインドは160発持つ。

(2023年5月18日朝刊掲載)

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