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サミットで旅行需要 中国地方 広島での休業・休校背景か 首都圏や大阪向け 予約急増

 中国地方に店舗がある旅行会社で、先進7カ国首脳会議(G7サミット)がある19~21日と前後の予約が増えている。サミットの舞台となる広島市中心部や広島県内で大規模な交通規制が実施され、複数の企業や学校が休むことが背景とみられる。広島市からの来訪者を見込み、催しを企画する観光地もある。(小川満久、榎本直樹)

 日本旅行中国統括部によると、広島県内から県外へ出発する17日から1週間の旅行の予約は前週の2倍に急増した。サミットの会期前後を含む18~22日の休業や休校に合わせて18日出発が多く、17日夜から旅立つケースもある。行き先は、東京ディズニーランドのある首都圏やユニバーサル・スタジオ・ジャパンがある大阪が目立ち、家族連れも多いという。

 今月上旬にはゴールデンウイーク(GW)の大型連休があったばかり。中国統括部は「GW後にもう一度需要の山ができるのは全国でも広島だけ。特に4月に休校が発表されてから予約が急増した」と説明する。

 JTBでも、17日からの1週間に広島県外の宿泊を予約した県内在住者は、前週の2倍に増えているという。行き先は首都圏や関西方面が多いが、北海道や沖縄など遠方もある。同社広報室は「特に平日はホテルも安く泊まれるため、人気の観光地やテーマパークを選ぶ傾向が強い」と説明する。

 広島県内の観光地では、サミットに合わせて催しを開く事業者も。今川玉香園茶舗(尾道市)は19~21日午前11時~午後5時、G7にちなんで京都の宇治や福岡の八女など7種類の玉露を用意した「日本茶カフェ」を茶舗の蔵で開く。料金は千円。予約不要。

 5代目の今川智弘さん(50)は「サミット期間中は広島市内は道路が大混雑して大変だと思う。尾道を訪れ、日本茶で一服してもらえたら」と話す。

(2023年5月18日朝刊掲載)

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