×

連載・特集

[こちら編集局です あなたの声から] サミット中 どう過ごす? 家族で県外キャンプ/自宅でパン作り

早め出勤や買いだめ

 19~21日に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)では、22日にかけての交通規制に伴い、学校の休校や勤務先の休業など市民生活に幅広い影響がある。編集局は無料通信アプリLINE(ライン)で読者に尋ねた。サミット期間中、あなたはどう過ごしますか。(新本恭子)

 「広島からは脱出だー!」「県外に旅行に行きます」。学校の休校を利用したり、有給休暇を取得したりして広島を離れるという声が相次いだ。

 廿日市市の会社員女性(46)は「宮島に近い自宅周辺は警備の強化で渋滞がひどくなりそう。仕事が休みになったので、家族で山口県へキャンプに行く」と声を弾ませる。南区の会社員女性(46)も「子ども2人が通う小学校が休校の上、学童保育も休み。有給休暇が取れたので、キッザニア福岡に行きます」。

 自宅や近所など徒歩圏内で過ごす人も多そうだ。東区の男性(74)も「デッキのペンキ塗りなど、時間がかかりそうな家の仕事を片付けたい」。安佐南区のパート女性(43)は「久しぶりにパンを焼こうと強力粉を買ってきた」と張り切る。めったにない平日の休みを利用して「歯医者に行く」という人も。南区の東雲地区商店会は「地域の人が徒歩圏内で楽しめるように」とかき氷やヨーヨー釣りを楽しめる祭りを企画した。

 一方で、普段通り仕事や学校がある人たちは慌ただしい数日となりそうだ。佐伯区の会社員女性(46)はJRの混雑を予想し、早めに家を出ると決めた。「学校給食のない子どもの弁当作りもあるので4時半起き。帰りもスムーズか分からない」とため息をつく。休校中の子どもの留守番に悩む声は多く寄せられ、「孫を預かる」という祖父母世代もいた。

 交通規制を想定し、備えに万全を期す人も。佐伯区の主婦(43)はスーパーの棚が品薄になる事態もあり得るとみて「牛乳や卵、豆腐など毎日食べるものは普段の2倍買い込んだ。冷凍庫も肉や魚、冷凍食品で満タンにした」と明かす。

 病院通いや介護サービスへの影響も大きい。多かったのは「受診予約をサミット期間中から別の日にずらした」との声。一方で、希望がかなわなかったケースもある。障害があり1人暮らしという中区の女性(56)は「デイケアが休みになったが、ヘルパーも頼めなかった。調理ができない」と途方に暮れる。母親が中区の病院に入院している南区の男性(70)は「18~22日の5日間は面会のための来院を断られた」とぼやいた。

 県東部からもサミットの影響を訴える声が届いた。府中市上下町の女性(46)は「高校生の子どもが通学に使う高速バスが運休になるので、仕方なく世羅町まで車で送り迎えする」。同市で手芸店を経営する女性(72)は県外の取引先に布を発注したところ、高速道の通行規制のため納期が保証できないと言われた。「サミット中は材料不足で仕事が滞りそう。広島市から遠く離れた私にも影響があるなんて」と驚いていた。

(2023年5月18日朝刊掲載)

年別アーカイブ