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福島事故の医療 英語の専門書に 広島大病院教授ら出版

 広島大病院(広島市南区)高度救命救急センター長の谷川攻一教授たちが、福島第1原発事故での救急医療などの対応や教訓をまとめた英語の専門書「放射線災害医学」を出版した。

 B5判変型、126ページ。谷川教授たちが現地で展開した救急医療や情報不足の状況下での意思決定などを解説した。入院患者の避難で死者が出たのを教訓に計画づくりの大切さを強調している。被曝(ひばく)した患者を除染する様子なども写真で紹介している。

 同事故をめぐり、国際原子力機関(IAEA)などから「全体像が把握しにくい」との指摘を受け、編集した。ドイツの出版社を通じて、海外の専門家に販売している。

 谷川教授は「福島の経験には世界が注目しており、英語の本なら教訓を共有できる」と話している。(馬場洋太)

(2014年3月12日朝刊掲載)

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