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原発国民投票 広島で問う 福島から避難 衣山さん 署名募り2万3000人分

 福島県南相馬市から広島市南区に避難し、原発再稼働の是非を問う国民投票の実施を求める署名活動を続ける雑貨販売業衣山弘人さん(56)が11日、中区の平和記念公園で協力を呼び掛けた。時間が過ぎるにつれて署名者が減少。原発事故の風化を懸念している。

 衣山さんは原爆ドーム前に立ち、市民や観光客に署名を求めた。3時間の活動で約20人分を集めた。平日はほぼ毎日続け、約2年半で約2万3千人分を集めた。署名は安倍晋三首相らに届けるという。

 衣山さんの自宅は、福島第1原発から約18キロ。事故後、放射線を避け、妻良江さん(45)と小学生の息子2人を連れて避難した。2011年9月に署名活動を始め、多いときは1日約300人分を集めたが、今はその1割に満たない。「原発事故への関心は日ごと薄れている。だが、やめるわけにはいかない」と語気を強める。

 署名活動は、全国で111万人分を集める「みんなで決めよう原発国民投票」の一環で、音楽家坂本龍一さんたちが賛同している。衣山さんは「影響はずっと先の世代まで続く。人任せにせず、自分たちで原発の是非を判断したい。それが事故に遭った私たちの使命だ」と話している。(久保田剛)

(2014年3月12日朝刊掲載)

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