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平和記念公園と宮島 封鎖 知らずに訪れる観光客も

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)に伴って18日正午ごろから広島市中区の平和記念公園一帯と、廿日市市の宮島の立ち入りが規制された。平和記念公園は21日のサミット関連行事終了まで、原爆ドームを含む公園と周辺の緑地帯に関係者以外入れない。宮島には20日午後2時まで、事前に外務省から識別証の交付を受けた島民たち以外は渡れない。

 平和記念公園一帯では正午過ぎ、原爆資料館の南側や相生橋に、可動式のフェンスなどが置かれた。期間中、公園内にある原爆資料館や国立広島原爆死没者追悼祈念館は休館する。この日、観光で広島市を訪れたオランダ人のミシェル・スカイリングさん(34)は「サミットがあるとは知らなかった。平和記念公園に入れないとなると予定が白紙になってしまう」と戸惑っていた。

 宮島の対岸にある宮島口フェリー旅客ターミナルには手荷物検査場と金属探知機2基が設置された。島民たちは正午以降、識別証を示し検査を受けて宮島行きのフェリーに乗り込んでいた。規制を知らずにターミナルを訪れて引き返す国内外の観光客の姿もあった。

 平和記念公園、宮島ともに規制前の午前中に訪れた人は警備の警察官の多さに驚いていた。宮島の表参道商店街にある土産物店などの約80店の大半は臨時休業し、午後も開いていたのは4店。福岡市の会社員男性(33)は「店がほとんど開いてなくてびっくりした。残念でした」とわずか1時間で島を出ていた。

(2023年5月19日朝刊掲載)

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