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中心部 休業・時短広がる 広島サミットきょう開幕 大規模交通規制に対応

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)の開幕が目前に迫った広島市で18日、小売店や物流に大規模な交通規制の影響が広がった。ホテルや平和記念公園(中区)周辺の高層ビルなどは厳戒態勢。マツダや一部の飲食店は休業に入り、百貨店は時短営業を始めた。

 日の出前の午前5時。広島市中央卸売市場(西区)の青果棟はいつもより1時間早く競りを始めた。広島県外から届く「旅荷」と呼ばれる青果は事前に取引を済ませ、時間を短縮。県産のネギやトマト、キュウリを仲卸業者たちが手際良く競り落とした。競りは普段に比べ15~20分短い25分間ほどで終わった。

 仲卸の原青果(西区)野菜部の古谷真一郎営業部長は「皆、交通規制を警戒し、スムーズに出荷が進んだ。明日以降もてきぱき動きたい」と気を引き締めた。小売店向けの出荷も1時間前倒しした。

特別態勢で配送

 パン製造販売のアンデルセングループ(中区)は、商品の製造や配送を前倒しする特別態勢に入った。22日まで広島県内2カ所の工場の稼働を早め、トラックも増便。広島市内のパン店には原則、午前6時までに届ける。「いつも通り手に取ってもらう」

 百貨店の福屋(中区)は八丁堀本店(同)と広島駅前店(南区)の閉店時刻を通常より1時間繰り上げ、午後6時半にシャッターを下ろした。八丁堀本店の地下食品売り場で閉店直前に総菜を買った南区の会社員矢田智江さん(63)は「混乱を避けるため、閉店時間が早まるのは仕方ない。今日は最低限の買い物だけ済ませて早く帰る」と店を後にした。

 休業の動きも広がった。コンビニのポプラ(安佐北区)は広島市内のコンビニ2店を閉めた。店がある大学の休校に伴う対応。18~22日に生活彩家の比治山大学店(東区)と広島市立大学店(安佐南区)、19~21日にポプラパル宮島口店(廿日市市)を閉める。

「需要応えたい」

 マツダは渋滞緩和を目的に22日まで本社宇品(広島市南区)と防府(防府市)の両工場の操業を止める。事務・技術系部門も19~21日は休む。部品メーカーの多くも生産を止めたが、マツダ以外に納める製品を造り続ける会社もある。

 飲食業のちから(中区)は市中心部に近い中、南、東、西区の計9店を臨時休業し、南区の1店の閉店を1時間40分繰り上げた。22日まで。交通規制の影響で各店への配送や従業員の通勤が難しいと判断した。

 残る18店は、配送時間を早朝に前倒しするほか、中華そばなど一部メニューの提供を見合わせて営業している。板垣徹販売部長は「可能な限り顧客のニーズに応えたい」と話す。(政綱宜規、村上和生、森岡恭子)

(2023年5月19日朝刊掲載)

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