×

ニュース

ホテル・店舗も警戒 手荷物検査やビル屋上閉鎖 コインロッカー使用中止

 サミット参加国の関係者が泊まるホテルグランヴィア広島(広島市南区)では、出入り口に金属探知機が置かれ、警備会社の従業員が手荷物検査を始めた。サミット最終日の21日まで続ける。木曽秀樹副総支配人は「サミットが無事に終わるよう万全を期す。一般の宿泊客たちには、ご面倒をかけるが、協力いただきたい」と呼びかける。

 19日に各国首脳が訪れる平和記念公園(中区)に近い「広島の宿相生」は、21日まで警察関係者の貸し切り営業とした。一般客は宿泊できない。女将(おかみ)の小田富貴子さん(79)は「首脳たちに安心して訪れてもらうためには安全性の確保が大前提。全面的に協力したい」と語った。

 おりづるタワーは18~21日に休館する。屋上の展望施設などに一般客は入れなくなった。

 他の周辺ビルの管理担当者も「警察から4日間は屋上への立ち入りを禁止するよう指示された」と説明する。テナントの企業を含めて、ビルへの立ち入りを制限する動きもあった。マンションでも警戒への協力が求められ、屋上に警察官の姿が見られた。

 市中心部の百貨店や紙屋町地下街シャレオもテロ対策を強めた。福屋八丁堀本店(中区)と広島駅前店(南区)は18~22日、店内のごみ箱を撤去し、屋上を閉鎖する。そごう広島店(中区)やシャレオ(同)では警察官が巡回する。シャレオは5カ所のコインロッカーの使用を22日まで中止する。

 インフラ事業者も不測の事態に備える。広島ガス(南区)は18~22日、本社や廿日市工場(廿日市市)などで警備員を増やし、警戒を強める。中国電力の子会社で送配電を担う中国電力ネットワーク(中区)は「停電などに対応できるよう、態勢を整えている」としている。(小川満久、松本真由子、村上和生)

(2023年5月19日朝刊掲載)

年別アーカイブ