×

ニュース

脱原発条例を否決 島根県議会 「国の財源必要」

 島根県議会(定数37、欠員1)は11日、再生可能エネルギーの普及で脱原発を図るため、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の地元市民団体が県に制定を求めた条例案を否決した。条例案には、県内有権者(昨年12月)の14・3%に当たる8万3323人分の有効署名が添えられていた。

 定例会最終日のこの日、本会議で採決。賛成7、反対27の賛成少数で否決した。条例案の基本理念である県内の消費エネルギー量を全て再生エネルギーで賄う「エネルギー自立」について、審議した総務委員会の大屋俊弘委員長は「国による財源確保や規制緩和が必要で、県だけでは困難」と強調。これまでの県側の主張と同じ見解を示した。

 一方、共産党、民主党の2氏が委員長見解への反対意見を表明。それぞれ「国依存の姿勢を改め、島根から安全安心を発信するべきだ」「8万人余りの思いを尊重してほしい」などと主張した。

 条例案は「島根原発・エネルギー問題県民連絡会」が2月7日、昨年10~12月に集めた署名とともに溝口善兵衞知事に制定を要求。溝口知事は2月12日、「実効ある計画の策定は困難」などと否定的な意見を付け県議会に提案していた。溝口知事は否決後、記者団の取材に「再生エネルギーの普及を進める方向は同じ。調査を進め導入を推進する」と語った。(樋口浩二)

(2014年3月12日朝刊掲載)

年別アーカイブ