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料理作りとお話 カンボジア学ぶ 西条でベトナム友好協

 カンボジアやベトナムの料理を教わりながら、現地の歴史や文化への理解を深める教室が18日、東広島市西条栄町の芸術文化ホールくららであった。インドシナ難民として1987年に来日し、同市で料理店を営む張富(はりとみ)裕子さん(56)が講師を務めた。

 市内外の約20人が、牛肉と野菜をあえたそうめん▽エビ入りの甘酸っぱいスープ▽バナナとタピオカのデザート―を調理。食後にカンボジア出身の華僑の張富さんの体験談を聴いた。

 張富さんは75~79年にカンボジアのポル・ポト政権による強制移住・労働を経験したことや、空腹に耐えられず食事をした親族が虐殺されたことを回顧。「多くの人が自由を奪われ、殺された。郷土料理の伝承も途絶えかけた」と語った。

 同市の広島ベトナム平和友好協会が4年ぶりに開いた。西条町御薗宇の北村礼子さん(72)は「どの料理も手軽に作れておいしかった。平和の尊さもあらためて感じた」と話していた。

(2023年5月19日朝刊掲載)

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