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山口県内の3人 広島サミットへの期待や注文

 広島市で19日開幕する先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、首脳たちは核軍縮・不拡散について議論する。原爆資料館(中区)の視察も予定されている。核兵器のない、平和な世界を願って活動する県内の3人にサミットへの期待や注文を聞いた。

県被団協会長 林三代子さん(82)=防府市本橋町

核廃絶 前進の機会に

 「原爆資料館で心に響くものがあると思う。核兵器のない世界へ前進する機会になるはず」と期待する。

 1945年8月6日、広島市中心部にいた伯母夫婦を捜すため、呉市から入市した。遺骨は今も見つからない。被爆の惨状は断片的に脳裏に焼き付いている。「広島には犠牲者の魂が今も眠る。被爆者の思いがどれだけ伝わるか見守りたい」

 今回、韓国の現職大統領が初めて広島を訪れる。山口市の原爆死没者之碑にも朝鮮人被爆者の遺骨が眠る。「差別がなくなり、隣国同士で信頼を深める一歩になれば」と願う。(山下美波)

原爆をテーマに詩作 長津功三良さん(88)=岩国市美和町

議論主導 日本に期待

 「原爆を最初に落とされ、今も被爆者が暮らす広島に集まって、核なき世界への姿勢を示すことに意味がある」と受け止める。その上で「米国の核の傘に守られている日本がどこまで議論を主導できるか」を注視するつもりだ。

 広島市出身。原爆投下時、父の実家がある岩国市美和町に疎開していたが、広島の自宅は倒壊した。原爆をテーマにした詩作では、戦争への怒りや風化への危惧をつづる。沖縄戦やシベリア抑留の経験者とも交流がある。「戦争は一番の罪悪。悲惨な目に遭うのは一般の人だ。平和の実現へ各国が連携を」と注文する。(和田木健史)

私設の平和記念館を開設 武永昌徳さん(71)=柳井市伊陸

露侵攻 止める手段を

 「核兵器は戦闘員も市民も無差別に殺す。あらゆる生命体にとって絶対悪だ」と強調する。念頭にあるのは、ウクライナへの侵攻を続け、核兵器の使用をちらつかせるロシアの存在だ。「首脳たちは侵攻を終わらせる手だてを考え、実行を」と求める。

 私設の平和記念館を開いた柳井市伊陸には太平洋戦争末期、米軍機が墜落した。脱出した乗組員9人のうち、広島市へ移された6人が原爆の犠牲となった。「被爆したのは日本人だけではない。首脳たちにいつか、この記念館も訪れてもらい、戦争の惨禍を感じてほしい」と願う。(山本祐司)

(2023年5月19日朝刊掲載)

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