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被爆者収容所の様子語る 向原小で救護活動の門橋さん

■記者 澄田真

 原爆投下後、広島市から避難した被爆者の収容所に使われた安芸高田市の向原小(当時の向原国民学校)で8日、救護を手伝った住民が当時の様子を6年生21人に証言した。

 証言したのは向原町女性会代表の門橋政子さん(79)。当時15歳の女学生で、原爆投下の朝は動員先が休日のため町内の実家にいた。

 被爆者は昼前から、傾きかけた列車で芸備線向原駅に次々到着。少年兵が多く車内は血だらけだったという。

 門橋さんら住民は、ガーゼの取り換えなど救護に追われたが1日10人前後が死亡。「外傷のない人まで死ぬので軍医が解剖したところ、内出血がひどかった。原爆は怖いと思った」と回想。「技術発展は必要だが人命の重さも考えてほしい。平和な社会の実現は君たちの宿題」と訴えた。

 授業は、語り部が高齢化する中「地元と被爆のかかわりを通し、平和を考えよう」と企画。真川佳輔君(11)は「薬のない当時、被爆者はすごく苦しかったと思う」と思いをはせていた。

(2009年7月9日朝刊掲載)

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