G7首脳 原爆慰霊碑献花 広島サミット開幕 核軍縮ビジョン発表
23年5月20日
先進7カ国首脳会議(G7サミット)は19日、広島市で開幕した。核兵器を持つ米国、英国、フランスを含む参加国と欧州連合(EU)の首脳が平和記念公園(中区)で原爆資料館を見学し、被爆者と対話。原爆慰霊碑へ献花して犠牲者を追悼し、被爆地広島に歴史的な一日を刻んだ。初日の討議を経て、核軍縮に関する「広島ビジョン」を発表し、核兵器不使用の記録の重要性を強調した。(樋口浩二)
核保有国のうち英国のスナク首相とフランスのマクロン大統領は、両国の現職首脳として初めて広島を訪れた。原爆投下国でもある米国のバイデン大統領は、2016年のオバマ氏に続き、2人目の現職による訪問となった。
首脳たちは午前、平和記念公園に順次、車で到着。原爆資料館本館の下で岸田文雄首相と妻の裕子さんが出迎えた。そのまま資料館に入り、約40~90分滞在。政府によると、被爆者の遺品などを見たほか、8歳の時に牛田町(現東区)で被爆した小倉桂子さん(85)と面会した。被爆10年後に白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子さんの逸話も、広島県の湯崎英彦知事たちが説明したという。
その後、首脳たちは原爆慰霊碑に向かい、1人ずつ献花した。慰霊碑のそばから原爆ドームを眺め、松井一実市長からその歴史を聞いた。公園内の一角に、被爆桜の苗木も植樹した。
広島ビジョンでは、ロシアによる核兵器のいかなる使用も許されないと表明し、核戦争を否定した。核兵器数の減少傾向の継続も唱え、「全ての者にとっての安全が損なわれない形」で現実的、実践的に核兵器のない世界を目指す姿勢を示した。
一方、G7の安全保障政策について「核兵器は、それが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、戦争と威圧を防止すべきとの理解に基づく」と主張。核抑止を事実上、肯定した。
G7首脳はほかに、イタリアのメローニ首相、カナダのトルドー首相、ドイツのショルツ首相と、EUのミシェル大統領、フォンデアライエン欧州委員長。主会場のグランドプリンスホテル広島(南区)で世界経済やウクライナ情勢について討議した。夕方に宮島(廿日市市)へ渡り、厳島神社に参拝。夕食を取りながら核軍縮・不拡散について話し合った。
(2023年5月20日朝刊掲載)
核保有国のうち英国のスナク首相とフランスのマクロン大統領は、両国の現職首脳として初めて広島を訪れた。原爆投下国でもある米国のバイデン大統領は、2016年のオバマ氏に続き、2人目の現職による訪問となった。
首脳たちは午前、平和記念公園に順次、車で到着。原爆資料館本館の下で岸田文雄首相と妻の裕子さんが出迎えた。そのまま資料館に入り、約40~90分滞在。政府によると、被爆者の遺品などを見たほか、8歳の時に牛田町(現東区)で被爆した小倉桂子さん(85)と面会した。被爆10年後に白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子さんの逸話も、広島県の湯崎英彦知事たちが説明したという。
その後、首脳たちは原爆慰霊碑に向かい、1人ずつ献花した。慰霊碑のそばから原爆ドームを眺め、松井一実市長からその歴史を聞いた。公園内の一角に、被爆桜の苗木も植樹した。
広島ビジョンでは、ロシアによる核兵器のいかなる使用も許されないと表明し、核戦争を否定した。核兵器数の減少傾向の継続も唱え、「全ての者にとっての安全が損なわれない形」で現実的、実践的に核兵器のない世界を目指す姿勢を示した。
一方、G7の安全保障政策について「核兵器は、それが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、戦争と威圧を防止すべきとの理解に基づく」と主張。核抑止を事実上、肯定した。
G7首脳はほかに、イタリアのメローニ首相、カナダのトルドー首相、ドイツのショルツ首相と、EUのミシェル大統領、フォンデアライエン欧州委員長。主会場のグランドプリンスホテル広島(南区)で世界経済やウクライナ情勢について討議した。夕方に宮島(廿日市市)へ渡り、厳島神社に参拝。夕食を取りながら核軍縮・不拡散について話し合った。
(2023年5月20日朝刊掲載)